5.土石流のモニュメント 〜 まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」
『最後の教室』の、そのあまりの強烈なインパクトに、まだ若干現実味を感じられないでいる 私。 しかし一歩外に出て、風を頬に感じ、その風の確かな感触と森の匂いを感じると、ほっとします。 外に出てみると、大分日が傾いていました。 まだもう少し時間があるかな? と、もう1つ作品を見に行く事にしました! この時間ならば、きっと間に合うはず。 こちらは、その道中に丁度見つけた、屋外の作品。 その名も、『土石流のモニュメント』。 2011年3月12日に、長野県北部地震で起きた土石流の後に建てられた 辰ノ口の砂防ダムに、黄色いポールを約230本立てて、かつての土石流の痕跡を 表現したものです。 ……黄色いポールが見当たらないです? うん、黄色いポールは後で知ったのです(笑) 砂防ダム自体が作品だと思い込んでしまったのでね(乾笑) 230本の黄色いポールは、画面の右下に切れてしまっています。残念! いやでも真面目な話、実際問題 山腹斜面崩壊による土石流って、とても恐ろしい事態。 発生した当時は、積雪をも巻き込んで、この国道353号線を埋没させてしまったとか。 それを再び起こらないように防いでいるのが、この鋼鉄セル式堰堤なのだそうです。 大地の力強さと同時に、自然の恐ろしさをも実感させてくれる、モニュメントなのです。 ここから見ると、雄大さが良く見えるよ! ってな意味だと思うんですけど…… ビューポイント。 ここ撮れ、って意味じゃないと思うんですけど。うん…… あ、でも、後ろの蛇みたいににょろにょろしているのは、作品らしいですよ? なんとパトカーも、大地の芸術祭仕様でございます。可愛いね(笑) 国道353号線を進む事数十分、ようやく最後の目的地に辿り着きました! そここそ、まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」でございます。 能舞台 と 農舞台をかけているのですな。 雪深い山村に住まう農民の方々にとって、まさに田んぼで行われる農耕の文化こそ 躍動する舞台そのもの。 そういう訳で、ここは松代地区の農民の皆様の文化が色濃く出ている博物館のような施設です。 その文化をひときわ強く表した作品が、こちら。 『棚田 (作:イリヤ&エミリア・カバコフ両氏)』 です! これ、昔の美術の教科書で見た記憶が……実際に目の前にすると、感慨深いものですねぇ。 田んぼを背景に農民のオブジェを置き、まるで物語のように文字を空中に配列させてしまうとは。 自然をそのまま作品の素材とする、まさに大地そのものを使った芸術作品です! 他にも、屋外にこんな作品があります。 ・ゲロンパ大合唱 ・地震計 そして、ここにある作品の中で、もっとも有名であろう作品がこちら。 『花咲ける妻有 (作:草間彌生氏)』です! この印象的な、カラフルな水玉模様。間違いなく、文字通りここの目玉になりますな! しっかし、この名札。ハンコでべたべた。 名札までわざわざ水玉模様にしたくなっちゃったんでしょうかねぇ(笑) オブジェ群の向こう側にひっそりとある、このつぼみは 向こう側にある『花咲ける妻有』と対に作られているそうです。 今の時間帯は閉まってしまいましたが、草間彌生さんの水玉をモチーフとしたグッズ、 大地の芸術祭ゆかりの公式グッズ、地元の農作物を使ったお菓子や飲み物などなど、 色々なお土産を売っている屋台がありましたよ! 農村の夏らしい麦藁帽子とか、いい感じ♪ 私自身は今回のお土産に、有名作品のポストカードをいくつかゲットしました。 「農舞台」の建物の中にも、いくつか展示コーナーや作品群があります。 こちらは「農舞台」が出来た時に、松代の住民の方々に好きな色を選んでもらい、 そこに1つ1つの家の住所の屋号の名前を書き出したものだそうです。 ここの建物も、まさに住民と作り上げた作品なのですね。 ・火の周り、砂漠の中 囲炉裏をイメージした作品。 いくつもの光の粒が、夜空に無数に散らばる星のようです。 砂漠とは、星の砂漠ってことかしら。 案内標識も、農民っぽくかわいくデコラティヴ♪ 建物内部はデザイン性が高く、とてもスタイリッシュなつくりですよ! ・「関係 - 黒板の教室」(教室空間) まるで学校のような空間ですが、なんとこの教室まるごと全部が、黒板になっています! 黒板はじめ、机も、棚も、地球儀も、床も。 ぜ〜んぶ、落書きし放題!! ひゃっふぅぅーーー!!(大はしゃぎ) でかい足あとを床に落書き♪ のっし、のっし、のっし。 せっかくなので、ここにやってきた足跡を残してきました。 草間彌生先生にリスペクトを込めて♪ ちなみに、椅子の上に乗っている黄色い手帳が今回のパスポートです。 黄色一色の可愛いデザインでした! 暮れゆく空に、花咲ける妻有。 ・ ・ ・ 今回見る事が出来た作品は、大地の芸術祭の全ての作品のうちの、ほんの一握りに過ぎないですが 色んなテーマの、色んな作品を見る事が出来て、楽しかったです!! 一期一会であるアート作品に込めた、作者さんたちの熱い思い。 共に作り上げる地域の方々や、ボランティアの方々のパッション。 そして開催地である、この越後妻有地域の持つ、雄大な自然そのものの力!! 観て、触れて、時には味わったりする事によって、作品の持つエネルギーと共に まるごと大地のパワーを頂いたような気が致します♪ 次の開催年である2021年には、一体どんな新しい作品が登場してくるのか。 3年後の大地の芸術祭もまた、楽しみにしたいと思います! それでは長丁場でしたが、ここまで日誌をお読み頂きまして、どうもありがとうございました! |
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