* 2018 越後妻有 アートトリエンナーレ! *

3年に1度、越後妻有で開催される『大地の芸術祭』の旅行記です。


No.1 / No.2 / No.3 / No.4 / No.5


思い立ったら、越後妻有アートトリエンナーレ!

3年に1度、越後妻有地方で行われる、大地の芸術祭 <越後妻有アートトリエンナーレ> 。

里山を舞台にした世界最大規模の国際芸術祭であり、地域芸術祭のパイオニアなイベント。
アートを媒体として、地域の魅力を引き出そうという試みで、毎年どんどん規模が拡大しています。
2000年から今回で7回目を迎え、ちょうど2018年は開催年に当たります。

名前は聞いていたけれど、今まで赴いた事がありませんでした。
今回その節目の年ともあり、是非参加しようと、行って参りました!!


 ・
 ・
 ・


開催されるのは、新潟県・越後妻有地域。
すなわち、十日町市と津南町にまたがる地域です。

細かく分けると、川西・松代・十日町・松之山・中里・津南の6つに渡り
おおよそ760平方キロメートルに及ぶ、実に広大なエリアにて開催されています。
この中に、なんと200もの芸術作品が散在しています。

移動は電車もありますが、時間に制限される為、レンタカーもしくは自家用車がおすすめ。
体力に自信があれば、レンタサイクルも有ります。
オフィシャルツアーなどもありますが、こちらは大人気ですぐ予約が満席になるので、
申し込まれる場合はぜひお早めに!


詳しくはこちらのオフィシャルページ


最寄り駅は 十日町駅。 高速道路の最寄りICは 越後川口IC。(自分用メモ)

今回、私は車で参りました!





高速を降りて国道117号線を暫く進むと、十日町市に入ります。
黄色い逆三角印の、大地の芸術祭のシンボルマークの看板が出てきました!(わくわく)

事前に行きたい場所をピックアップして、道を調べておきます。公式ガイドブック必須。
というのは、アート作品は広大な地域に跨るので、あっちゃ行ってはこっちゃ行く事にならないよう
事前計画が大事なのであります!


今回特に行きたい場所は3つ。


・越後妻有里山現代美術館 [キナーレ]
・清津峡渓谷トンネル
・最後の教室

ここの3つを巡るついでに、近くにある作品の中から色々ピックアップして参りますよ!







1.越後妻有里山現代美術館 [キナーレ]



まず向かったのは、大地の芸術祭の拠点施設でもある、越後妻有里山現代美術館 [キナーレ]。
梅田スカイビルなどの設計を行った原広司氏が手掛け、2012年に完成したばかりの美術館です。

ここに、大地の芸術祭の各施設の入場をスムーズにする、パスポートがゲットできるのです。
屋外作品は無料で見られるものもありますが、入場料が発生する施設もあります。
パスポートを事前に購入しておけば、それらの施設はほぼスルーで入れます。

という訳で、パスポートゲット!
おひとり様3,500円也。学生は2,500円。前売りだと500円引きです。
有効期限は、大地の芸術祭開催中の7〜9月まで。





駐車場に置いてあった車も、シンボルマークの黄色い逆三角模様。かわいい。
是非この車で、他の地域を走って大地の芸術祭をアピールして頂きたいですね!




建物に入る前から、覗き窓で覗けるこの演出! わくわくしますね!





ここの施設には、いくつかの作品が常設展示されているのですが、今回の芸術祭では
『2018年の<方丈記私記>〜建築家とアーティストによる四畳半の宇宙』
…というテーマで、4畳半のスペースに様々な作品空間を作り、展示されていました!








・ライトハウス4.0 越後妻有で軽やかに暮らす




・asobiba / mimamoriba




・TRANSFIGURATION HOUSE








・越後妻有 コラボ甘味屋台




・パフォーマンスの秘密 KNOW YOURSELF





後々調べて作品名の分かったものは載せています。
なんかこう、4畳半という手の届く範囲は、まるで自分だけの世界のような感じ。
いいですよね。そこに、各々の世界が広がっているって。

屋台っぽいスペースもあり、それもポップで可愛かったのです♪





で、その作品群が並んでいる中心に、水の張った、幾何学模様のプールがあるのです。
実はこの謎模様も、作品のうちのひとつ。後々それが判明します。




こちらは、ひつじハウス(羊の美容室)。

なんと全体が羊の毛で出来ているんですよ!! すっごいもこもこ!!
しかも、このひつじハウスの中で、実際に美容室さんが営業されているご様子。
あれかな。羊の毛を刈るように、髪の毛をちょきちょき整えるイメージなんでしょうか(笑)
寧ろ人間が羊の気分を味わえるのか…(笑)

ちょっと興味をそそられましたが、またの機会に(笑)




天井にも、まるでおもちゃが並べられているような、ポップな雰囲気!




ここの美術館はトイレもポップですよ!
いいねぇ、ネオンで派手派手なトイレ。





2階へ上がると、こちらにも作品群。
ここの棚や椅子の配置自体も作品みたいですよ。その名も『〇in□』。






でもそれ以上に、看板に書かれていた文字列が気になってしょーがない(笑)

「あわてず 安全農作業」 「初め深水 活着後浅水」 「適期到来 遅れず中干し」
「カメムシ注意 草刈り徹底」 「幼穂確認 適期穂肥」

こりゃ、田んぼ作業の作業基準の標語ですな。そうだね。カメムシ怖いよね(笑)
うん。好き(笑)







こちらの作品は、『ザ おこめショー』。

各地のお米を実際に試食できる、体験型作品です!
そりゃこちらの地域で食べられるコシヒカリは絶品ですよぉ!!

山に築かれた棚田の風景も、それはそれは美しいのです。
実際に耕す様を見て学んで、体験して、そして美味しく頂く。
自然のままでも勿論美しいのですが、人の手が入ることにより生まれる美しさ。
農村の風景って、そんな風景だと思うのです。




ふと階下を眺めると、学生さんたちが見学にいらしてました。
いいなぁ、地元の学生さん。大地の芸術祭を見て回る校外学習だったら、私喜んで行きますよ!






棚に本や、レトロな品々がいっぱい。
飯盒に、ポラロイドカメラ、これは昔のプロジェクター?
昔の製品って、どこか懐かしくて味わい深く、可愛いですよね。







さてさて。1階のプールのあの幾何学模様。
実は、2階のとある場所から見ると、あら不思議。
まるで水鏡に映った建物の姿のようになるのです!

作品名は、『Palimpsest: 空の池 (作:レアンドロ・エルリッヒ氏)』。

すごいですね。建物全体を使って芸術作品に仕上げているのですから!
しかも、その姿をほんの1か所だけしか見られないってのが、これまたにくい演出です。





作品はまだまだ続きます!

こちらは同じくレアンドロ・エルリッヒ氏の作品で、その名も『トンネル』。
トンネルとトンネルの間の、ちょっと明るい場所が見えるあの雰囲気を、
暗いスペースの中、路肩に止まった車がエンジンをふかす音まで表現しています。うん。リアル。

芸術作品って、作家さんたちの着目点が面白いですよね!







こちらの作品は、『Rolling Cylinder,2012(作:カールステン・ヘラー氏)』

床屋さんのあのトリコロールのくるくるの内側に入ったような、不思議な気分!
外側の建物も、雪が落ちるようにした倉庫のシルエットに似てて、雪国らしさを感じます。







・フロギストン






・浮遊




・POWERLESS STRUCTURES,FIG.429




・「大地を包む皮膚」十日町紋様 カラムシ唐草‘13 (作:眞田岳彦氏)


こちらの一角にも、作品群が続きます。
モノクロームの色彩が、冬の雪国を連想させます。







芸術作品は現代だけでなく、遥か過去にも遡ります!

こちらは、新潟が誇る歴史的な縄文時代の出土品、火焔土器です!
こんな細かな模様を組み上げて、土器を焼いていたなんて、素晴らしいですね…!

ここまで細かい装飾模様を組み上げるのには、なにか理由がありそうなのです。




まぁ一服。一息つきましょー。







例のプールの真ん中は、乗っかることも出来るのです。プールの水深はふくらはぎ程しかありません。
ざぶざぶ進んで、足跡ぺたぺた。いぇーい。(やめんか)
夏場は涼しくて気持ちが良いですよ♪ タオル持参で是非!

そういえば、この現代美術館は、日帰り温泉も併設されています。
今回は入りませんでしたが、また来た時には温泉に入っていきたいなぁ!

この大地の芸術祭が開かれている地域の一つに、松之山地域があります。
松之山地域は、新潟でも有名な温泉地でして、日本三大薬泉とも言われる松之山温泉郷があります。
源泉はナトリウム質の古代の海の水。日数を跨ぐなら、温泉郷に寄っていくのも良いですね!





ふと横を眺めたら、小さなかわい子ちゃんをオブジェと一緒に写真に収めている
お父さんカメラマン発見! 良い写真が撮れるといいですね♪





次ページへ →