* 2018 越後妻有 アートトリエンナーレ! *

3年に1度、越後妻有で開催される『大地の芸術祭』の旅行記です。


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3.屋外設置作品シリーズ

清津峡を後にして、近隣に点在する作品群をいざ、ひとめぐりに参りますよー!




・中里かかしの庭

道なかで見かけたこのかかしの形のオブジェクトも、作品のうちのひとつです。







・たくさんの失われた窓のために(作:内海昭子氏)

程なくして到着したのが、ここです。
作品は至ってシンプル。カーテンをつけた窓枠が、自然の中に建っている、それだけです。




いいですよねこの開放感。
シンプルな窓枠に中里の山々が映りこむ、素朴だけれど自然と共にある優しい作品です。
風に吹かれたカーテンのシルエットって、ほんとう綺麗ですよねぇ。




素朴な草花と一緒に。









・ポチョムキン(作:カサグランデ氏 / リンターラ建設事務所)


自然と一体になった作品は、こちらにも。
ちょうど青空が見えて、木々の緑に生えて綺麗な風景となってくれました。








まるで、子供だった頃の遠い昔に遊んだ、秘密基地のような場所。

端に転がっている錆びたシャベルとか、乗り捨てられたブランコとか。
この鉄が朽ちたような赤銅色も、いつかどこかで身近に接していた、懐かしい景色です。

ちらちらと優しく差し込む、木漏れ日の光。広場を駆け抜ける、涼やかな秋色の風。
時から置き去りにされたような、誰も居ないひっそりとしたこの空間。

忙しない毎日に追われてばかりいた私の心を、ゆったりと優しく癒してくれました。









童心に帰った私が、古い遊び場でみつけたのは、きらきら光る白い宝物!





またおいで、って言ってくれているような、佇まい。

ここ、ほんと好きだなぁ。また癒されに来たいなぁ。






星のかたちの、真っ赤なお花に見送られて、次の目的地に向かいます。










・Kiss & Goodbye (作:ジミー・リャオ氏)


今度の作品は、台湾の作家 ジミー・リャオ氏が手掛けた作品です。

『幸せのきっぷ Kiss & Goodbye』という絵本を題材に作り上げた、優しい世界観。
両親をなくした小さな子供が、愛犬と一緒に電車に乗り、遠くに住む祖父を訊ねるという物語。

とっても、とっても可愛いんです!



この作品は、JR東日本・飯山線にある
土市駅 と 越後水沢駅 の2つの駅に設けられています。






土市駅の方は、カラフルな倉庫の中で、男の子と犬の旅の様子を描いた映像が視聴できます。
音楽も牧歌的で、どこか懐かしくもきゅんと来るメロディーで、癒されます。

丁度倉庫の中がまた客車みたいな感じがして、電車で旅をしているような気分になります♪




飾り付けられた倉庫の中には、可愛いイラストも展示されています。






作品の題材が電車での旅、という事もあり、駅に設置されていますが
ここ、無人駅なんだけど、どこかクラシカルで可愛くて。
ホームは、風が吹き抜けるような開放感あって、とても良いのですよ…!




なお、期間中には『思い出ポスト』というイベントもされていました。
ここで販売されているポストカードに一筆書いて、未来の自分に届けるという趣向です。

イラストが可愛かったのでポストカードだけゲットしたけれど、
未来の自分に宛てて一筆、応援のメッセージでも届ければ良かったかな(笑)








さてさて、越後水沢駅の方へ向かいますよ。










ここの駅も、また可愛らしいんです!
駅舎のデザインが、土市駅とまるで対になっているような感じですね!






あちらの駅とはまた趣向が違っていて、もう一つ対になるようなオブジェが置いてあります。




こちらは映像はありませんが、代わりにシャボン玉を飛ばしている女の子のオブジェが。



イラストも飾られていますよ!





ここのホームも吹き抜けになっていて、こんな気持ちの良い天気だと、どこかへ旅したくなりますね!





と思っていたら……





ホントに電車、来ちゃいました(笑)
しかもなんと、和風なかわいらしいデザインの電車!! おいこっと ですって。

観光客と思われる方々が、数名乗っていらっしゃいました。
いいなぁ。どこへ旅に出かけるのかな。







駅の前にあるおうちは、喫茶店のようです。こぢんまりとしていていい雰囲気。

ここ、ピアノが置いてあったんだよな……いいなぁ……弾きたいなぁ……(そわぁ)
でもでも、BGMにかわいい音楽が流れていたので、おじゃまする訳にはいかないのです(笑)

そして店先に、なぜか茄子がテイクフリーで置いてありました。笑。
好きに持ってっていいよ、という、農村の方々のあったかさを感じるなぁ。ほっこり。





4.ワープクラウド と 名代そば 由屋 さん

3年毎に行われている大地の芸術祭ですが、通年常設されている展示作品もあれば、
その年だけにしか見られない作品もあります。

これから見に行く作品『ワープクラウド』は、そんな作品のひとつ。

この日記を書いている2020年現在でも、今まで展示されてきた作品の総数は
なんと、述べ1129件。 多っ……!!

見逃してきた作品の数を数えるのも諦める程に、それだけたくさんの作品が作られてきたのですね。


なので、今回見た作品も、しっかと眼に焼き付けておくのです!






金色の稲穂! これから刈り入れ時期ですかねぇ。美味しいコシヒカリになるんだよ!




ここでもシンボルマークが描かれたお車発見。
キナーレで見た、めいっぱい三角なのとは違い、シンプルに1つ。でもこれはこれで悪くない(笑)







ここが作品『ワープクラウド(作:ダミアン・オルテガ氏)』がある民家です。





一見なんら普通の民家に見えますが、ここはもともと繊維工場があったそうです。
今では廃業となり、使われなくなったその場所を再利用して、作品へと生まれ変わらせました。

あちこちで問題となっている空き家も、こうしてリメイクすれば立派な観光名所になるのですね。
ちょうど高齢化・過疎化が問題になる地域も、アート作品で有名にしていけば、若い人たちも戻ってきますし。
街が再び活性化するといいですね!





中へ入ると、そこはまさに不思議空間!!

天井から吊り下げられた糸に、いくつもの白い球体が規則的につながってぶらさがっています。






色んな角度から見上げると、面白いです!!






糸の隙間から縦横無尽に、色んな場所から好きなように眺める事が出来ます。





まるで宇宙に浮かぶ、幾多の星々のようにも見えますね!
時空を超えて、いざワープ!! ……ワープクラウドなだけに(笑)







実はこれ、1階だけでなく2階にも作品があります。

糸を垂らして球体を結び付けた1階とは異なり、2階は無数の白い球が置いてあるだけ。
しかし実はこの球、1階の垂れ下がった球体とリンクしているのです。

この作品の作者である、ダミアン・オルテガ氏は、メキシコの出身。
メキシコの神話では、編む事は天国と地上を結び付ける意味合いがあるそう。
それは、この建物がもとは繊維工場である事と結び付けているのです。深いなぁ!

こういう、作品背景を作者さんのコメントで聞けると、尚鑑賞するのが楽しくなりますね!






しっかしこれ、作るの大変だったろうなぁ……


こうしたアート作品は、作家さんだけが作っているわけではなく、
サポーターとなる村の人やボランティアの方々の協力によって、作られています。
まさに、地域ぐるみの町おこし。

今回赴いてはいないですが、『脱皮する家』と呼ばれる作品では
美術系の大学の学生さんたちが総出で、ひと夏かけて、家の壁という壁、柱という柱に
彫刻刀で隙間なくびっちりと掘った模様をつけたそうです。

その努力たるや、想像するだけでその大変さ、苦労ぶりが窺い知れます……!


そうして作り上げた作品は、もはや地域の住民の皆さんやボランティアの方々の作品でもありますね!

だから、このイベントは、地域の皆さんも一団になって盛り上がるのでしょう!!









さて、腹が減っては戦は出来ぬ。 いいところでお昼ごはーん!
新潟ではきっと割と耳馴染みのあるCM、「松代そばよしや〜♪」の由屋さんです!

……お店の左端にウルトラマンの人形が置いてあるのが激しく気になりますが(笑)




越後妻有アートトリエンナーレは、国際的な芸術祭でもあります。
今回出向いた施設・作品にも、数多くの外国人の方がいらっしゃいました。

そんな皆さんがよく利用されるような、こういった地元のお店にも、国際化の波が!!
め、メニューが英語表記ですよ!!

しかも、メニューの英語名だけでなく、ちゃんと意味も英訳で添付されている親切っぷり。
越後妻有地域、どこぞの大都市よりも国際化していて凄いな……(笑)




ワターシハ、Tempura Soba (Hot) ニ シマシータ!(←)

ってか、てんぷらって Tempura って書くのね n じゃないのね(笑)

ぷりっぷりの海老に、つるつるのどごしの良い美味しいお蕎麦でした♪






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