* 佐渡ヶ島 自転車旅日誌 *

佐渡ヶ島をチャリンコで巡る旅、旅記録その5。


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5. 佐渡ヶ島 〜歴史探訪・寺院・名所巡り〜

さて、自転車で沢崎灯台から真野新町へ向かった先で。
物凄い偶然なのですが、車から私を見かけて
途中声を掛けてくれた方がいらっしゃいました。

自転車で佐渡一周の旅をしている最中だという事をお話しまして。
気温も相まってへばりきっていたところを。
佐渡の国仲の見所を、何と自転車を乗っけながら(!)
観光案内してくださると仰ってくださいまして!!?
ななな何と言うご親切なお方…!!

「ここで会ったのも何かのご縁。
 佐渡に来たからにゃ、色々見ておかないと損だよー?」

何と気さくなおじさん(笑)


実質、真野新町に辿り着いた時点で佐渡1周はコンプリート済。
残すは、両津に向けて国仲を辿るだけ。
前回通った道をまたただ辿るのも勿体無いので、
折角なので、お言葉に甘えて同乗させて頂きました!
や、ホント佐渡の方って親切…!!(感謝感激vv)
自転車を軽自動車にようやっと積み込みまして
(ぎょえええ;通りすがりの私にこんなにまでご親切に…
 どうも有難うございます!!)
いざ出発!


話を聴くと、宮内庁に以前勤めていらっしゃった方で
3年前に佐渡に移り、今はあちこちの観光案内をしていらっしゃるとか。
色々と名所のお話を聴きつつ、しかもその説明が凄く詳しくて。
(しっかりメモ取っておけば良かったなぁ…)


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最初に向かったのは、真野御陵。
おじさん談「佐渡に来たからには、ここに来なくちゃー」

鎌倉時代に、承久の乱にて佐渡に流刑に処された
順徳上皇が火葬された、と伝えられている場所です。
(お骨自体は京都に持ち帰られたそう)
樹齢およそ数百年の杉林に囲まれ、ひっそりと
山奥に佇んでいる静かな場所でした。
厳かで神聖な場所所以、写真は撮らず。

流刑の地として知られている、佐渡ヶ島。
私はてっきり非道な罪人ばかりが流されたと思っていたけれど
そういう政治的な罪を背負わされた、尊い身分の方も居たのですね。
ちなみに、流刑に処された人々は、佐渡金山の坑道で
朝から夜まで働かされ、1年も満たないうちに過労で亡くなる方が
多かったんだとか。砂金堀りって、過酷な労働ですものね…




次に来たのは、国分寺跡。
現在、建物自体は残っていませんが、柱の敷石が残っています。
奈良時代に国中に建てられた国分寺。
佐渡もひとつの自治領として、かの時代佐渡の中心地であった
この真野町の地に、国分寺が建てられたのだそう。




続いてやってきたのは、日蓮宗・妙宣寺(みょうせんじ)。
日光東照宮の塔を模した、県内唯一の五重塔。
国の重要文化財でございます。
へぇぇ、こんな場所があったとはねぇ…






妙宣寺境内。
あちこちしっかり手入れされてあって、綺麗…!

うちの母さんやばあちゃんがここ見たら、喜ぶだろうなぁ。
(↑ お寺とか参拝するの好き)




さてさて、次に訪れたのは。
薪能で有名な佐渡でも有数の本格派能舞台・本間家能舞台です。
この家一軒まるまる能の舞台として使われるのだそう。
茅葺屋根に、木のつくりが素敵ですv

雨が降っても、雪が降っても吹きさらし状態。
維持するの、大変だろうにっッ




佐渡の観光案内などで、よく目にするこの絵!
目の前で、直に見られて感激です…!!

毎年7月最終日曜に定例会があり。
地元の人々が、ビールを片手に賑やかに鑑賞するそうです(笑)




さてさて。次にやってきたのは、真言宗・清水寺(せいすいじ)。
この長い石段の先に、木々が生い茂る中にお寺は建っています。

建立されたのはいつ頃の時代なのでしょうか。
とても古いお寺です。




京都の清水寺を模して作られたという舞台。
緑の木漏れ日がやわらかく降り注ぎ、とても綺麗でした。




誰も訪れない森の奥深くに、ひっそりと。
永い年代を超えて今も存在し続けている、救世殿。
まさに、秘境と呼ぶに相応しい…!
(…あれ、この台詞、さっきも使ったようなっッ)




続いてやってきたのは、佐渡の水源のひとつ・新穂ダム湖です。

佐渡は島国。水は数少ない湖や川を頼っています。
飲み水自体は枯れることはないのだそうですが、
水田に供給する水を確保するため、このダム湖の水が使われるのですって。
ちなみにこの上流にもうひとつ、新穂第2ダムがあります。




最後に案内して貰ったのは、佐渡の汽水湖・加茂湖が見渡せる
おじさん秘密の隠れ場所です!

「どうですかー。加茂湖が見渡せるでしょ?」

わぁ、ホントに加茂湖全体が見渡せるよ…!
パノラマ機能がついてないのが悔しいっッ(地団駄)
良い場所を有難うございます!

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時間は午後2時50分。
帰りに乗るカーフェリーは午後4時出発。
そろそろ両津港へ向かいます。

自転車では決して行く事が出来なかった場所、
そして詳しい説明付きで、地元の方しか分からないような名所を
たくさんご案内して頂き、感謝感激でございますvv


両津港まで送って頂きまして。
偶然の出会いに感謝!
名残惜しみつつも、おじさんに別れを告げます。
このご恩は一生忘れません! ええ本当にっッ
どうも有難うございましたー!!




6. 両津港 〜 新潟港から 自宅まで

帰りの船は、前回たくさんお世話になった、おけさ丸でございました。
この間お見かけした船員さんたちは休番なのか、居なかったけれど(笑)

着いたのが、自転車積み込み時間ギリギリだったので
おみやげを買う時間が無くて。まぁいいかっッ
家族におみやげは、この間行ったばかりだから
きっと要らないだろうし(笑)
荷物を増やして自転車を漕ぐ体力も、私にはもう無いし(笑)


炎天下、自転車で待っていると。
行きで出会った植木のおじさんにばったり出会いました!
「半周行ってきたの?!お疲れ様、暑くなかったかい?」
と労いのお言葉も貰いまして。
おまけに、佐渡の有名なお店の栃餅まで頂きまして!
ひぇぇ、重ね重ね有難うございます…!(大感謝v)

帰りの船の中、色々とお話したりカモメに餌付けをしたりして
楽しく過ごしておりました(笑)




午後4時。
いよいよ出航です。 あっという間だったなぁ…
またね、佐渡ヶ島!




いつもは最上階の甲板のデッキで過ごす私ですが、
今回は日差しが暑くて、とてもここに居れない。
2日目は1日目よりも坂の連続で、疲れ切ってしまい
日陰のベンチで(それでもやっぱり潮風に当たる外がいい人)
しばらくぐっすり眠っていました。




ふと見ると、通ってきた道が懐かしくなります。
遠くに、姫崎灯台が見えました。
一見近そうに見えるけど、実際行ってみるのは
かなり距離があるんだよなぁ…




向かい側に、佐渡に向かうおおさど丸の姿が。
お客さんを乗せて、今日も新潟と両津を行き来しています。




そういえば、お昼ごはんを食べていなかったのを思い出し。
食堂にて煮干しラーメンを注文。
あっさりめの、海の出汁がきいたスープが美味しい!
休んでご飯を食べたら、ちょっと元気が出てきました。




カモメさんは、餌を求めてずっと飛び続けています。
その体力と根性、私も見習い隊です…!(尊敬)




2時間半なんて、あっという間。新潟港が近づいてきました。




金色の光を放って、波に夕日が煌きます。
夕暮れ時の港も、また綺麗ですねv




再び、紅い灯台。夕暮れ時に撮るのは初めてかな?




午後6時30分。新潟港に到着しました!
これからすぐ、おけさ丸は最後の便でまた佐渡に向かいます。
気をつけて…!

さあ私も、また家まで自転車旅の始まりです。
あんまり暗くならないうちに、着くといいなぁ…




…なんていっている間に、日が暮れてきました。
夏至からもう1ヶ月経ちますものね。
日暮れ時がどんどん早まります。




街の明かりが、色とりどりに煌き始めました。
とっぷりと、辺り一面暗くなりました。
早くおうちに帰ろう。

しかし、遠くに見えた入道雲が、夕暮れ時から雷鳴を轟かせていて。
風が徐々に強まり、雷鳴も近くなってきました。
何だか、嫌な予感……




予感的中!!

新幹線の橋桁の下を通っていると、雨がぽつりぽつり。
すぐに、バケツをひっくり返したような豪雨に。
橋桁の下で、しばらく雨宿りする羽目に。
風も強く、横殴りの雨。雷も次々に落ちています。
田んぼのど真ん中を走っている途中じゃなくて良かった…;

まあ、雷の写真が撮れるなんて滅多に無い機会だから
よしとするか(笑)
ホントはビビビっと空を走る電光を撮りたかったんだけどなあ。
(今の現状を見なさいお気楽思考め…)




1時間半くらいすると、ようやく晴れてきて。
次の雨が来る前に急いで自転車を漕ぎ漕ぎ、
夜10時40分にようやく家に辿り着く事が出来ました。

や、最後までサプライズの続く旅だったなぁ(笑)
お疲れ様でした!


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時の勢いは大事だというけれど。
この半周ツアーも突発に出発を決め。
偶然に偶然が重なった出会いがいくつもあり。
前回以上に多くの方々と交流できた旅でした。
景色もいっぱい楽しめたし、見所も満喫できましたし!

人と話す、という事の大切さを学び。
お互い助け合っているという自覚を持ち。
感謝の心を、改めて感じ取ることが出来ました。
心の底から「皆さんどうもありがとうー!」と叫びたいですっッ

そして自分に。佐渡1周自転車でコンプリート、お疲れ様!
よくやったぞ私!!(自画自賛:笑)
マイ・チャリンコも、パンクせずにいてくれてありがとう(笑)


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以上、佐渡をチャリンコで巡る旅のレポートを終わります。
前回に引き続き、長い長い旅日誌でありましたが、
ここまで読んで下さった方、どうも有難うございました!





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