長く積もり続けていた根雪も溶け、暖かな春の日差しに、木々は再び若葉を芽吹かせる。
大地からはふきのとう、つくしが次々と顔を出し、穏やかな青空には、ひばりの心地よい囀りが響く。
そんなうららかな春の日に、人々はこぞってある場所を目指して訪れる。
ワダツミノ国にて、限られた一定の時期にだけ見られる、見事なその景色。
それは、ワダツミにしか咲かない桜、ミタマザクラが、その美しい花を一斉に咲かせる光景だ。
満開の桜が、空一面を占拠する。
淡い薄紅色の花びらが可憐に風に揺れ、見事な桜吹雪となり、観桜に訪れた人々に降り注ぐ。
「綺麗だねぇ〜〜!!」
その光景にすっかり見惚れ、ワダツミに初めて訪れたサロードは歓声を上げた。
「こんなに一度に、一斉に咲く花、私は見た事がないな……」
同じくワダツミを初めて訪れたスノウも、見事な花と風と光の饗宴に、ただただ見惚れていた。
祖国であるフロレアール王国も、美しい花の都として有名であるが、ここまでの規模で咲く花を、彼女は見た事が無かった。
「こっ…… このような見事な力…… く、悔しいですわ……!!
今よりもっと己の力を高めれば、ここまで咲かせる事が出来るのでしょうか……!!」
圧巻の桜並木を観て、プランタン教会の司祭・コスモは、秋桜を咲かせる己の能力と比べて絶句する。
「やー流石にそれは無理だと思うよ? だってこれ、ひとつの苗木から地道に接ぎ木したんでしょ?
どれだけ職人さんたちが時間をかけて、この光景作ってるか考えたら、僕らの力でなんかじゃ、到底ムリムリ」
コスモの後ろからのっそりのっそり、屋台の香ばしい焼き鳥を賞味しながら、ヒュウガが歩いてくる。
「ヒュウガ!! 相変わらず貴方は司祭としての自覚が足りませんのね!!
私たちは国民の羨望を受けるプランタン教会の司祭、常に己を高める研鑽が大切ですのよ!!」
くわっとヒュウガを叱りつけるコスモに、それでもヒュウガはからからと笑って、満開の桜並木を見上げてのんびり言う。
「はいはい、そんなお堅い頭で眺めてたって、この桜も、この焼き鳥も楽しめないよ?
それより、純粋にこのワダツミの名所、ミタマザクラ並木を楽しもうよ〜。滅多に来れないんだからさ」
このミタマザクラが立ち並ぶ通りは、ワダツミの名所である様子で、ワダツミの住民たちも、外国から訪れる観光客も
大勢がまるで大河の流れのように、ひっきりなしに桜の木の下を歩いて、美しい花々を眺めていたのだった。
その通りの両端には、訪れる観光客たちをもてなすための屋台が所狭しとひしめき合い、
物珍しいものを広げたり、美味しそうな香りを通りに立ち上らせていたのだった。
「桜を眺めながらコリンドーネ産のフライドポテトはどうかねー!」
「芋だけじゃ足りないよ! まるまる太ったテワランダック!! 一足かじれば貴方もその虜!!」
「舶来物もいいけど、ワダツミの花見にゃやっぱり喫茶おまつのたい焼き! 冬〜春季限定ー!」
「うちのこだわりの饅頭も食べてきなー!! 今日は花見に合わせてうぐいす餡だ!! ホ〜ホケキョ!!」
「あ、おじさーん! うぐいす餡のお饅頭、ひとつ頂戴!」
「おう、テルコちゃん!今日は警備当番かい?」
「そうなの。本当はお仕事なんて二の次で、こんないい天気の中、お花見したいんだけどねぇ」
「ははは。まぁうちの饅頭食って頑張りな! ほらよ、おまけしといたよ!」
「わ、ありがと!」
桜の花びらを舞い上げ、銀髪の巫女兵の少女が饅頭をくわえ、絹のような滑らかな髪を風に靡かせ、人混みの中颯爽と駆けていく。
「あそこの饅頭屋、美味しいんだよねぇ。お酒の香りが効いてて」
「あっ、確かジュンイチさんがおまけしてもらった饅頭ですね! ふかふかの生地にずっしり餡子、食べ応え抜群です!」
「(饅頭屋か…… 以前参道街で見かけたけど、食べ損ねた場所だな……)」
桜の花が可憐に舞う中、人込みの中ひときわ背が高く、ワダツミに見慣れない藍色の異国の服で身を包んでいたのは
この国にすっかり馴染んでいたカーディレット帝国の将校、ブリューゲルだ。
その隣に、彼を介抱した少女、ハルヨも並んで歩く。
お花見に合わせて新調した着物は、千鳥が描かれた明るい黄色い生地に、フリルがあしらえられている。
ワダツミの伝統着物らしからぬそのデザインは、リトス仕立てのものだ。流行に聡い彼女らしいセンスである。
……が、花より団子。彼女の手にはしっかりと、三色団子が握られていた。
反対側に歩くのは、ワダツミの武装神職者……といっても、この国にやってきたのは1年程度と、ブリューゲルとさほど変わらない
フロレアール出身の神官兵・ジェノ。
腰に和刀を携えて、いつでも臨戦態勢……といきたいところだが、この陽気にすっかり戦う気を削がれて、のんびりと桜を仰いでいた。
漂ってくる饅頭の香りに、昼を前にした彼の腹の虫が、ぐ〜と鳴き声を上げる。
その音を聴くなり、ハルヨは思わず噴き出してしまう。
「あはは! ジェノさん、お腹空いたんですか?」
「ちっ、違……!! これは! 朝食を控えめにしたためで……!!」
「くすくす、お腹は正直だよねぇ。でも、美味しそうな香りだもんね。ちょっとつまんで行こうよ」
真っ赤になって空腹を否定するジェノに、ブリューゲルも笑いながら、屋台の饅頭屋で買い食いを提案する。
そんな中……
「おや……そこのお方。貴方には、何やら数奇な運命を感じますよ……?」
3人のうち、ジェノが突然声を掛けられたのは、立ち並ぶ屋台の中、段ボールと白い風呂敷でこしらえた台に水晶に手を翳している、
異国のいで立ちの、いかにも怪しげな風貌な怪しい女だった。
サラーブ産の金糸があしらわれた繻子織の布に、細工の見事な珊瑚の帯留め飾りが映え、春の風にシャラシャラと揺れる。
「えっと……、【占い師スジョン 貴方の未来、恋模様、何でも占います】?」
「えぇお嬢さん。何ならば、可愛い貴方の恋の行方でも良ければ、何でも」
ハルヨが台の前に書かれた看板を読み上げると、その占い師・スジョンはヴェールで隠した口元で、にんまりと微笑んだ。
しかし彼女が興味深そうに眺めているのは、ハルヨの隣にいるジェノのようだ。
さらさら揺れる銀髪に端正な顔立ち、高い背丈に逞しい身体つき、これは占い師でなくても、年頃の女子ならば十分興味を持つだろう。
その熱っぽい視線を受け、ジェノは思わず少したじろぐ。
「う、占いか…… はは、私はあまり興味はないかな……ここに来るまでも、ロクな目に逢った試しがないから……」
ワダツミにやってくるまでに散々な思いをしてきたジェノは、己の運命というものにうんざりして
やや遠慮がちに笑って手を振り、屋台から遠ざかろうとする。
すると占い師のスジョンはずずいっと身を乗り出して、彼を引き留めようとする。
「そんな事はありませんよ! 貴方、複雑な運命の糸を織り交ぜた気配が致します……占い甲斐がありますわ!」
興味深そうな視線を向けるスジョンに対して、ジェノはブリューゲルと顔を見合わせる。
「複雑な運命の糸……ですか……」
「そう言われてもねぇ……ここに立ち並んでるボクたち、そういうのに慣れっこだからなぁ」
2人がワダツミに流れ着くまでに辿ってきた事情は、相当に複雑な筋書きである事は皆十分理解していた。
なので、今更彼女に言われた所で、大して驚かないのであった。
そんな鼻息荒く彼を引き留めようとするスジョンの背後から、涼やかな声が響いた。
「彼の数奇な運命に関しては、ここにいる皆が理解しているよ。貴方に占って貰うまでもなくね」
突然の声にスジョンが驚いていると、いつの間にいたのか、ウツセミがにっこりと微笑んでいる。
「貴方の噂は聞いているよ。リトス連邦興業区で、手広く商売をしていると伺ったな。
なんでも、占いの腕よりもその報酬が法外な事で有名だとか」
「げっ……なんでそんなことまで……」
あまり表沙汰にして欲しくない情報までさらりとその場で明かされてしまったスジョンに、
さらに畳みかけるようにウツセミはにっこりと容赦なく言う。
「花見見物は大勢の人が集まるからね。何かと困った事も起こるだろう。
君の事は、ちゃんとお巡りさんに紹介しておいたから、そろそろお迎えが来るんじゃないかな?」
そう言うや否や、混雑する人の通りの向こうから、スジョンが最も今目にしたくない服装の人物たちがやってくるのが見えた。
ワダツミの花見はそれこそ大勢の人が見物に来るため、他国に警備の協力依頼をしていた。
やってきたのは、リトス海洋貿易都市連邦・商業区の警備団の青い制服の人物たちだ。
「み、ミドリ!! ……よりによって一番見つかりたくない奴が、なんでこんな所にいるのよ?!」
ばたばたと慌ただしく露店を畳むと、水晶玉を抱えてスジョンは小走りであっという間に人混みの中に去っていった。
呆気にとられてその様子を見送っていた3人に、ウツセミは懐からほかほかと湯気を立てているものを取り出した。
「あっ!! お饅頭ですぅ!!」
「さっすがウツセミ、ボクたちが今欲しいもの、心得てるねぇ」
「ふふ、誰かさんのお腹のリクエストが聴こえたものでして」
くすくすと笑うウツセミに、腹の虫の主は顔を真っ赤にして、ふかしたての饅頭を受け取ったのだった。
やがて、次第に高くなっていく陽の煌めきを一層受けた桜並木の通りの向こうから、シャラン……と、澄んだ鈴の音が聞こえてくる。
音色の主が近づくと、人々は河の流れが分かれていくように道を空け、道の脇に陣取っていく。
ワダツミの伝統装束に身を包んだ一行が、厳かに列をなしてやってきた。
一番前で、まるで稲穂のように鈴のたくさんついた神楽鈴を鳴らしていたのは、やや緊張めいた面持ちのシンペイだった。
いつもの浅葱色の袴ではなく、祭礼用の若葉色の水干を着ている。
隣には一般人には見えないが、彼の守護精霊であるコメットも、にこにこ笑顔を浮かべて飛び回っていた。
彼女が周囲を飛び回ると、桜の花びらがはらはらと舞う。
『シンペイ、頑張れー!』
「(もう、緊張するからあんまり話しかけないでよ!)」
楽しそうに応援の掛け声をかけるコメットに、祭礼の隊列の先頭という重圧に緊張の面持ちを浮かべるシンペイは
誰にも聞こえないように小さく呟いた。
後ろからは、榊や神楽鈴、鉾鈴、扇、幣などを手にした、幾人かの千早を羽織った巫女たちが後に続く。
その中にはシンペイの幼馴染、リリサの姿もあった。落ち着いた表情で、しゃなり、しゃなりとゆっくりと歩みを進めていく。
髪を飾るのは金色の天冠に桜の挿頭。普段よりも華やかなそのいで立ちは、巫女たちの神々しさをより一層際立たせていた。
列の周囲には鉾、和刀、薙刀を持つ武装神職者たちが控え、厳かに隊列を見守っていた。
カズミ、ナオコ、テンマ、リョウヤの若手組に加え、ソヨ、チアキらもその後に続く。
こんな厳かな行列でもアズマはやや欠伸を浮かべそうになっていたが、後ろにいたナギサに小突かれて慌てて真面目な面持ちに戻る。
「リリサちゃん、巫女装束とっても綺麗ですね」
「ねぇねぇ、これは、何の行列なの?」
「長い冬を終えてワダツミにようやくやってきた、春を告げる桜の開花を祝う式典のようですわ。
神職者たちがこの桜並木を巡礼し、終着点である祭殿にて、巫女たちによる舞いが行われ、楽士たちが雅楽を奉納するのです。」
興味深そうに、神職者たちの行列を眺めるエフェメラ、ロゼットに、ワダツミの文化を事前に調べたパンセが説明した。
「寒くて辛い雪の季節を耐え、ようやく待ちに待った春なんだもんね。こうして皆でお祝いするんだね」
自分たちが住むフロレアールと同じく、花を愛でる風習があるということを改めて感じ取ったレビンは、嬉しそうに彼らを見守る。
「過酷な冬があるからこそ、人々は春の恵みにより一層感謝するのだろう。それを、我々も忘れてはならない。」
「えぇ、その通りですわ。何事も、自然のあるままに。これこそが、人々のあるべき姿なのですね」
穏やかな面持ちでその様子を眺め、幸せそうに微笑んでいたのは、ルドベキアとマグノリアだ。
行列の後半になると、藤色の狩衣を纏ったヒオウギ、桜の絵柄の千早のユメエ、そして紅の衣冠を着たスオウと続き、
いよいよ、扇で顔を隠している巫女姫の姿が、神官たちに担がれた神輿の中から現れる。
人々が見守る中、松の常盤色、白銀の雪の結晶と、鮮やかな菊の紋様が描かれた優美な扇を、巫女姫がゆっくりと降ろす。
顕わになったのは、南天の実のような艶やかな唇、清らかな雪化粧を施したような、玉のような肌。
烏の濡れ羽色の美しい黒髪は金色の天冠を抱き、菊と桜の花で彩られている。
まるで天女が降りたかのような優美な姿をした、ワダツミの君主・菊花斎姫不磨子その人だった。
普段の祭礼でもその姿は神々しいが、花の恵みを祝うこの祭礼において、彼女の美しさはまるで咲き誇る桜の花のように
尚輝きを増すばかりであった。
現実離れしたそのあまりの美しさに、人々は我を忘れてため息をつく。
「うはー!!! 噂通り、いや噂を通り越して、すげぇ美人じゃん!! なんだ、本当に人間か?! 天女サマじゃねぇの?!
こりゃドロシーでもブロマイド手に入れられねぇよな……
いや、ブロマイドなんかじゃこの美しさは収まり切らねぇ!! 直に拝むに限る!!」
屋台で買ったたこ焼きをほふほふ口に運びながら、カーディレット帝国兵の1人、ニールは、彼女のあまりの美しさに感嘆の声を上げる。
その横から、黄色いぼさぼさ頭の青年がつまようじを伸ばす。
巫女姫に見惚れていた間に、8つ入っていたたこ焼きのうち1つを奪われたニールは、憤りの声を上げる。
「あっ、シンてめぇ!! お前焼きそば持ってるだろ!! そっち先食えよ!!」
「足りない」
「おいそれどこかで聞いたセリフだな!! その燃費の悪さ、なんとかならねぇのかよ!!」
「や、スンマセン先輩! こらシン、勝手に食っちゃまずいだろ……」
「まぁまぁ、1つくらい、いいじゃないですか……俺のあげますから」
食欲に正直なシンをマーキスが叱る中、ニールを宥めるのは後輩のアークだ。
こんな時いつも黄色信号を止める青信号はといえば、巫女姫もだが、その前に行われている御前の舞を舞っている少女に目が釘付けである。
雅楽隊が奏でる美しい音楽の中、雪と桜の模様の扇を手に、優雅に手をしならせて舞っているのは、巫女のカヅルである。
カヅルと言えば、いつぞやスパイが持っていた写真に映っていた可憐な巫女として、今やカーディレット帝国兵の中で知らない者は居なかった。
ミコトが紡ぐ笛の音色に合わせ、白くて華奢な指先がひらひらと細やかに舞い、綺麗に切りそろえられた黒髪がさらさらと揺れる。
「やっぱり可愛いなぁ彼女……」
「直に見れて、俺感動っス!!」
「これ、夢ですかねぇ……夢にまで見た写真の中の彼女が、今目の前で可憐に踊ってるんですよ……」
「夢じゃねぇって。ほれ、頬っぺたつねってやるよ」
「いでででで!! あぁホントだ、夢じゃない……」
彼女の前には見物客によるひとかたまりの紅い山が出来ており、もはやファンクラブが結成されそうな勢いである。
「そういえば、ユリコ特務のご先祖様も、ワダツミ出身だったよな?」
「確か巫女さんだったって話だぞ」
「巫女さん、という事は、カヅルちゃんみたいにこの舞も舞ってた事になるよな」
ワダツミの巫女、という所から話が発展していき、同じくワダツミの血を引いているユリコに話題が収束していくと
カーディレット帝国兵たちは、皆揃って口を閉ざす。
「……にしても、あのダンス……」
苦笑いを浮かべ、それ以上誰も何もも言わなかった。いや、誰も何も言えなかったのだ。
続きを誰ともなく発言する前に、背後に、凄まじい殺気を感じたからだ。
「血筋が繋がってるといって、同じような事が出来ると思わない事だ」
兵士たちによる犠牲の叫び声が上がる中、ユリコに聴こえないようにして、ぼそっとケイスケがつぶやいた。
「巫女さんみたいに舞えなくたって、俺たちのユリコちゃんは最強だぜー!!
可愛いし、銃の腕前はピカ一だし、度胸もあるし、仲間想いだし!!」
ユリコに他の一般兵たちが足蹴にされている中、ヒューイは満面の笑みを浮かべて彼女を褒め称える。
「へっ!! んな物騒な鉄砲百合お嬢サマなんかより、うちのベリンダ姫の方がよっぽど気品があって、帝国のレディーに相応しいぜ!」
それを聞いた魔法部隊の兵士たちが鼻で笑うと、機械部隊の面々は思わずいきり立った。
「なんだと!! うちのお嬢を馬鹿にするのか?!! 鼻持ちならない、この上から目線野郎ども!!」
「万年鉄屑で汚れた下っ端野郎め!! おぉ?! やるのか!!? 」
「そっちこそ!!」
彼らは元から犬猿の仲だった事に加え、一部の兵士はどうやら屋台のビールを一杯ひっかけたようで、顔を赤らめてますます大声を上げる。
「アンタたち、やめなさーい!! 公衆の面前で恥ずかしいでしょ!!」
「あらあら、どこぞのはしたないお転婆じゃじゃ馬さんのとこは、誰ぞに似て野蛮ねぇ?」
「うっさいわね!! アタシの部下たちを馬鹿にする気?! こんの高飛車女!!」
「ほら、そうやって突っかかる所がお子様。 誰もあなたの事だなんて言ってないわぁ?」
機械部隊と魔法部隊の兵士たちの小競り合いを収めようとユリコが顔を出すが、ベリンダの気取った物言いにカチンときて
部下を馬鹿にされた事も加えて黙っていられず、結局2人は言い合いになってしまう。
桜の下見事に勃発した紅い国の旗を掲げる少女たちの戦いに、桜の下道行く人々の視線はは何事かと集まり始める。
一部の見学客は、面白がって煽る始末だ。
「ほらほら、紅いリボンのちっちゃい子、頑張れ〜!」
「くるくるふわふわのお嬢様も負けるな! 俺はあんたのがタイプだ!」
そうしてぎゃーすか騒いでいると、流石に放っておけなかったのか、各々の部隊長が小競り合いを宥めようと顔を出す。
「ユリコ、まぁまぁ落ち着いて。どっちも十分可愛いよ」
「隊長!! そんな優柔不断じゃ困るんすよ!! うちのお嬢があいつらになめられるじゃないすか!!」
のんびりとやんわり宥めるローレンツに、機械部隊の兵士たちは抗議の声を上げる。
一方、魔法部隊の隊長・シスカーンはずっと黙ったまま腕組みをしている。
騒ぎを大きくして、流石に怒られるのかと思い、ベリンダはじめ魔法部隊の面々は黙って萎縮し、彼の発言を待つ。
「すみません、隊長……」
「……お前たち、よく分かっているじゃないか」
「うちのベリンダが可憐で優秀だって事をな」
その瞬間、魔法部隊の兵士たち、そしてベリンダは盛大に肩から崩れ落ちる。
「隊長、真顔で言わないで下さい!! もう!!恥ずかしいんだからうちの部隊も!!」
彼女の大きな叫び声で、桜の花びらが再び舞い上がる。
うららかな春の日差しの下、それを眺めていた従弟のカルロスは、桜の木に座る花や風の精霊たちと共に
くすくす笑いを禁じえなかったのだった。
思うように筆が進まない昨今、ちょっとお遊びに、また時系列ごちゃまぜMIXお話を書いたら……
あかん、進み過ぎて困ったwwwwwwwww
今年は自粛ムードでお花見に行けない代わりに、お国の彼らにお花見を楽しんで頂きました!
ワダツミは特に桜が綺麗そうだよねぇvvv
独自品種なんて作っちゃったけど、精霊の魂を宿らせた桜って事でミタマザクラ。です!
お花見と言えば屋台。色々な国の名物が屋台出してるといいな!
食べ物だけじゃなくって、見世物屋台とかね!
今回は出していないけど、リトスの興業区の大道芸人さんたちとかもいそうじゃない?
そして、うちの市で毎年やってる、桜並木での花魁道中をモチーフにして、巫女姫様や神官・巫女様たちに
奉納行列なんぞをして頂きました!
ワダツミにとっても、雪深い冬を乗り越えた後に満開になる桜は、きっと特別な花なんじゃないかなぁって思って。
更にいつぞや呟いてたキャットファイトをここで勃発。やー2人(+部隊)を燃えさせるのは楽しかった……
とどめは隊長のあの一言です。天然ですよな、この人も(笑)
や、お粗末さまでした(笑)