* 2018年 工場の祭典! *

ものづくりイベント・工場の祭典へ参加した時の日記です。


2018年 工場・耕場・購場の祭典!

新潟県の中でも、燕市・三条市は、金属加工を取り扱う工場が多く
三条は金物(特に包丁とか打刃物)、燕は煙管・和釘から洋食器で有名です。

その県央地域を活性化させよう!というプロジェクトで始まったのが、
この『工場の祭典』でございます!
(ちなみに、『こうじょう』ではなく、『こうば』とお読みください・笑)

4日間に渡り、燕市・三条市近辺の工場を開放し、普段できない工場での体験など
100あまりの工場・耕場・購場(こうば)が門戸を開いているイベントです!



工場の雰囲気って素敵じゃありません?金属加工にはちっと興味があったのと
ものづくりについてちょっと知りたいと思い、体験をいくつかしてきました!



昨年度出かけたのは、鎚起銅器で有名な玉川堂(ぎょくせんどう)さん。

鎚起銅器とは、1枚の銅板を叩いて伸ばして、時には磨いて時には染色をしたりして
急須やら薬缶やら、細やかな細工物に仕上げていきます。
金属を叩いた柄が、なんとも味わい深いのです。


昨年度は一ヵ所だけでしたが、今年はちょうどお休みがあったので、
早めにサイトで調べて、行けそうなところにいくつか体験に行ってきました!





1.MGNET さん

燕市内にある、近年出来たばかりのメーカーです。名刺入れが有名みたいです。
ここでは、ティースプーンづくり、銅板のしおりづくり、真鍮のヘアゴムorブローチづくりが
1日2回ずつ体験できます。電話で予約をしてから向かいました。

可愛い雰囲気で、ショールーム『 FACTORY FRONT 』というお店が先日出来たばかり。
地元のいくつかの企業さんの商品も取り扱っており、洒落た雰囲気の素敵なお店でしたv





私が体験したのは、真鍮のブローチの柄付け体験。
真鍮の板(丸か四角か選べます)を、削ったり叩いたりして、独自に模様を付けます。

ナイロンのたわしのようなものでこするのは、『ヘアライン』という技法。
髪の毛が幾本も通ったような細かい線で、金属に曇りをかけることができます。

また、ハンマーでたたいて『鎚目』と呼ばれる模様もつけることができます。
ハンマーの大きさで、丸っこい模様だったり、細かい叩き模様で味わいが変わります!


トンテンカン、トンテンカン……
マスキングテープで区切りながら、色々な模様をつけてみました!





でーきーた!

いつも丸いアクセサリーを選んでしまうので、今回は四角いパーツを選びました。
色々な模様を区切ってつけて、楽しかったー!
えへへ。我ながら良い出来だ(笑)

仕上げに、出来た金属にブローチパーツを接着剤でつけて完成。
1日接着剤がなじむまで置いといて、いっぱい使うぞー!




作業場は色々な道具があるのでごちゃっとしてるのかなぁと思いきや、
パーツが多くて、在庫管理もしっかりきっちりしないといけないそうなので
割と綺麗に整理整頓されている工場が多いそうです。

整理整頓しながら、美しく仕事するというのは、どこの世界でも同じなのですね…!





こちらはティースプーン作り体験の一角。
カーブをつけて、磨くorシックなくすみをつけるそう。






2.武田金型製作所 さん

MGNETさんのお隣にある工場。といいますか、こちらが親会社だそう。






製品のパーツを作るための『金型』を作る工場です!
自動車の部品、ipad や iphone などなど、有名な製品のパーツの金型をも制作されるそうです!

金型は、金属部品を作る為の言わばコピー元。
ただパーツを作るのとは違い、普通の部品の誤差が0.5だとすると、
0.01…その200倍、300倍の細かな精度を求められるそうです! ひぃぃ…!




その綿密な精度を売りにするのに、作ったというのがこちら。

色々なメディアで取り上げられて一躍有名になった、『マジックメタル』です。
(『マジックメタル』という名称は、メディアで言われ始めたとか)

これがすごいんです!!



このように、文字が浮き出ておりますが……




指で押し込むと、御覧の通りすぅっと消えて……
まるで何もない1枚の金属板!!

2枚の金属をここまで合わせるのに、切り出す金型の技術。恐ろしや…!!
実際に指で押させて頂きましたが、ほんとに滑らか。凄いです。






技術もさることながら、工場の中ってなかなか入る機会がないので
立ち並ぶ機械が珍しくて楽しい!!

コンピューター制御の製造機械が多く、1つ1つ正確に同じ形をプレスして
作り出すというのは、大掛かりな事なんだなぁと思いました。



で、こちらの工場では、世界に1つだけの自分だけの刻印入りの
手作り定規を作る事が出来ます!

定規は仕事でよく使うんだよなあ……
プラスチックだとポッケに入れてコンニチワした時にバキッと折れるし
金属でも目盛が着色式だと消えてしまうから困っていた……のでこれは嬉しい!




まずは何もないのっぺらな真鍮の板。




こちらを、このプレス機でがしゃこーん!

ちなみに、2つのボタンを両手で押さないと、プレスされない仕組み。
手元にはセンサーがついていて、手がうっかり入ったら止まる、安全装置がついてます。

過去、幾多の工場で、プレス機で指や腕を失った職人が
過去何十人、何百人いたことか…(涙)




目盛の金型がセットされていて、しっかり目盛がつきました!




お次はこちらのプレス機でがしゃこーん!




今度は下の方に、刻印用のでっぱりが出来ます!




んで、様々な数字やアルファベットの模様がつく鏨(たがね)を
ハンマーでこんこんしながら、刻印場所に、好きな文字・数字を打ち込んでいきます!




完成ー!! じゃじゃーん!!

専用のお持ち帰り袋(色も選択自由)まで用意してくれる優しさ。
世界に1つだけの、自分だけの定規の完成でっす!!


ちなみに、嵐にしやがれでも紹介されたそうで、その後こちらの工場に
ファンが体験につめかけたそうな(笑)

この定規制作は、工場の祭典の期間でなくても、いつでも体験できるそうです♪



3.大岩彫金 さん

燕市の一角にある、小さな工場ですが、『にいがた県央マイスター』という
地元の熟練した職人に与えられる名誉を頂いた、確かな職人さんです!

こちらの有名な作品が、金属を打って作る、葉っぱの箸置き。
金属で出来ているのに、まるで本物の葉っぱのような、味わい深い造形が魅力です!

現在改装中の燕市産業資料館を会場に、
葉っぱの形のブックマーク・キーホルダー・箸置き作りが体験できます!
結構大勢いらしてました。




葉っぱの形に作った、既に染色されている金属を、
虫食い穴と葉脈を打ちぬいて、形成していきます。

ハンマーと先のとがった鏨で、まず虫食い穴をあけます。
これが意外と難しい。




で、打っていくと金属が反り返ってくるので、
木のハンマーで叩いて真っ直ぐに戻します。




そして次に、鏨をハンマーで少しずつ叩いて、葉脈の線を入れていくのですが…
これがめちゃくちゃ難しい!!
鏨の持ち方、ハンマーの打つ場所でずれてしまうので、均一な線を打つのは
至難の業です…!!

職人のおじさんに助けて貰いながら、なんとか作り上げました!
(完成品は写真撮り忘れたw)

プレス機で同じ製品が何度も作られるのに対して、こういう鎚起銅器は
手作業で味わいが出ますし、同じものは1つとしてないので、それもまた魅力ですv







4.三条ものづくり学校 さん

廃校になった小学校をオフィスとして、色々な企業が集う
ものづくりの情報発信地です!

工場の祭典で、近年は日本各地の手作り産地から呼び寄せて
手作りの品を公開・販売しております。

今年も鯖江の眼鏡、山形の塗り物、東京のリサイクルファクトリーなど
色々なものづくりの街の製品が並んでおりました!


あー全体像写真撮るの忘れた…(笑)




鯖江の眼鏡。フレームの素材でブックマークが売ってたりしました!
なんつったって、眼鏡の日本のシェア90%以上を占める地域ですからね(笑)

ちなみに、鯖江市には高速道路の沿線にでっかい眼鏡があります(笑)
企業の方曰く、あれは夜実はライトアップされるのだとか(笑)
北陸道を走る際は、是非ご着目ください!




小学校を使っているので、そこかしこに名残が(笑)
今日の献立とかなっつかしいわ(笑)

そんな中、壁には金属加工の豆知識のひとことが達筆で書かれています(笑)




飾られているオブジェや広告、ポスターもポップで可愛いんだよなぁ。


ちょっと時間が押していたのであたふたと見ましたが、
他にも手作りレモネードとかクッキーとか、
はたまた錦鯉の箸置きとか! 刺繍のくるみぼたんとか、可愛いものがいっぱいでしたv






本日の戦利品。 うふふ、満足でござるー!


手作りの品って、職人の思いが篭っていて、やっぱりいいものですね。
使い手の事を一生懸命考えて作るから、使いやすいですし、馴染みますし。
何より、大事に使おう、物を大事にしようっていう気持ちになります。

ものづくりに携わるひとたちの、熱い魂に触れた、そんな工場の祭典でした!